薬膳で夏とは…

薬膳

薬膳で夏とは?

夏は立夏から立秋までの3か月間です。中医学において、自然界の特徴は「陽気旺盛(ようきおうせい)」という言葉で表されます。

五行五色五気六淫五臓五腑五味五官五華七情
暑(火)邪小腸喜・驚

季節の特徴

夏は陽射しが強くなり、気温も上がり、陽気がもっとも盛んになります。「生長」の季節です。

暑邪(しょじゃ)の特徴とよくある症状

夏の外因邪気(がいいんじゃき)としての暑邪(しょじゃ)の特徴とよくある症状

  1. 暑(火)邪は陽邪(ようじゃ)であり炎熱(えんねつ)で上昇し、発散の性質により汗・熱など。
    →身熱・顔の赤み・多汗・喉の渇き・尿の色が濃い・尿少・舌質赤などの症状。
  2. 津液(しんえき)(体内の良い水分)を消耗すると気も一緒に消耗されます。
    →息切れ・脱力・夏バテ・熱射病などの症状
  3. 汗によって津液(しんえき)を大量に消耗します。
    →睡眠や精神・情緒の不安定な症状が出やすく、動悸・寝つきの悪さ・不眠・多夢・イライラ・怒りなどの症状
  4. 雨が降り高温多湿により、暑邪が湿邪(しつじゃ)を伴いやすくなります。
    →湿邪の侵入により、食欲不振・疲れ・無気力・四肢のだるさ・吐き気・下痢・湿疹などの症状

身体の変化

夏は「心(しん)」の働きが旺盛になります。
顔が赤くなり、身体が熱くなり、汗が出て多汗になります。
→津液が不足になり、血流に影響し、不眠になりやすくなります。

養生

「黄帝内経(こうていだいけい)」には、夏の養生として、
「夜は早く寝て、朝早く起きる。日の長さや暑さを嫌がらず物事に怒らずに気持ちよく過ごすべきである」と書かれています。
「天人相応(てんじんそうおう)」の考え方で、体内の陽気を程よく発散させることが必要です。
楽しい気持ちでいるように心がけ、怒りを抑えることが大切です。
夏の暑邪は心を傷めやすいので、食養生は心の気を整えるとともに、津液を補い健脾にも注意が必要です。

よく使う食薬

分類効果食材
清熱解暑
(せいねつげしょ)
熱を取り除き、夏の暑さから身体を守ります。粟・セロリ・セリ・苦瓜・レタス・たんぽぽ・薄荷(はっか)・緑豆(りょくず)・バナナ・緑茶
生津止渇
(しょうしんしかつ)
津液を生じ、喉の渇きを改善します。キュウリ・トマト・豆腐・メロン・スイカ

オススメお取り寄せ食品

 

アドバイス

  1. 苦味:熱を冷ます。同時に同時に陰陽を消耗しやすいので使用量を加減します。
  2. 酸味:引き締める作用(収斂(しゅうれん))もありますので、夏の多汗・心悸・不眠にお勧めです。
  3. 鹹味(かんみ):心気を補養する効果(補養心気)もあります。
  4. 辛味(しんみ):温熱性の物は熱を悪化させ、津液を消耗させるので控えます。

夏バテ・日射病を予防するために夏に入る前に春の養生を心がけ、水やミネラルの補給に気を付けます。
冷たい物・脂っこい物・甘い物・味の濃い物を避け、脾胃を傷めないよう気を付けます。また、食品が腐敗しやすくなる為、食中毒に注意します。

言葉の説明

 

単語意味
陽邪陽に属する病気の原因。外邪の風邪・暑邪・燥邪・火邪。
暑邪夏の邪気。
火邪夏の邪気。②体の陽気が異常に旺盛で各種の熱症状が現れること。
陽気旺盛(ようきおうせい)陽がたくさんあること(日照時間が一番長く気温が高いこと)
天人相応(てんじんそうおう)天は宇宙・自然のこと。人間も宇宙の一部であるという中医学の考え方。自然の気候変化は人体に大きく影響する。
健脾脾を健やかにすること。

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